藤原裕×YANUK No.XXレビュー|ヴィンテージ顔なのに伸びるストレートデニム
こんにちは、男の人生を磨くブログ「メンズノート」運営者のZakです。
僕がこの高価なデニムを買おうと思ったのは、穿きやすさとヴィンテージ感の両立に非常に興味があったからです。
デニムは格好いい。でも、硬さや動きづらさまで我慢して穿きたいかというと、今の僕には少し違います。
年齢を重ねた今、服に求めているのは動きやすさと作りの良さです。
そんな僕が52,800円を出して購入したのが、藤原裕×YANUKのセルビッジストレート「No.XX」です。60〜70年代のヴィンテージデニムを土台にした、スタンダードで少しゆとりのあるストレート。それでいて、縦にも横にも伸びます。
僕がこの商品に感じた一番の価値は、本格的なヴィンテージの表情、流行に寄りすぎないストレートシルエット、現代的なストレッチ性を一つにまとめたこと。僕が探した範囲では、この三つを満たすデニムは多くありませんでした。
- ヴィンテージ顔のストレートなのに縦横へ伸びる
- 縦落ちや細部を眺める楽しさがある
- ジップフライが日常で扱いやすい
- Tシャツやデニムジャケットに自然に合う
- 52,800円という価格は趣味への投資
- 一目で値段が伝わる見た目ではない
- サイズ4でもボタン周辺に締め付けを感じる
結論として、No.XXは「ヴィンテージらしいストレートを穿きたい。でも、硬さや動きづらさは我慢したくない」という人のためのデニムです。
一方、安くて良いデニムを求めるならGUでも十分。この両立と微差に52,800円を払えるかが、購入判断の分かれ目です。
- 細身ではなく、ゆとりのあるストレートでストレッチを求める人
- ヴィンテージの色落ちやディテールも譲れない人
- 生涯でもう1本だけデニムを選ぶつもりで、細かな違いを楽しみたい人
藤原裕×YANUK No.XXとは|購入理由と商品概要
藤原裕×YANUKのNo.XXは、ヴィンテージらしい少しゆとりのあるストレートに、縦横のストレッチ性を持たせたコラボデニムです。僕が購入した理由は、硬さを我慢せず、見た目と機能を両立できるか確かめたかったからです。
YANUK(ヤヌーク)はL.A.発祥のデニムブランドです。
現在は岡山の自社ファクトリーを生産拠点とし、日本人の体型へのフィットや穿き心地を追求しています。アメリカのデニムの空気感と、日本のものづくりがつながるブランドです。
藤原裕氏は原宿の古着店BerBerJinのディレクターで、ヴィンテージデニムの知識を商品づくりにも生かしてきた人物。YANUKには2019年春夏からアドバイザーとして参加しています。
古いデニムの魅力をよく知る人が、今の生活で穿く服としてどんな答えを出すのか。単に昔の仕様を戻すだけではないところに、買ってみたい理由がありました。
見た目の美しさと機能性が本当に両立するなら、自分の人生における最新かつ最高の一本になるのではないか。デニムに精通する藤原氏が手がけた商品だからこそ、そこまで期待して購入しました。
形のベースは60〜70年代の、ややテーパードが入ったストレートです。使い込まれたヴィンテージを男女のスタッフが試着し、どちらの体型にも合う形を探ったと説明されています。僕が穿いた印象も、脚へぴったり沿う細身ではなく、腰まわりから裾まで適度なゆとりがあるスタンダードな形です。
正式名称は「No.XX」、読みはナンバートゥウェンティ。
YANUKの20周年を背景にした名称で、ローマ数字の20とヴィンテージジーンズのXXという表記を重ねています。
| 商品名 | 藤原裕×YANUK セルビッジストレート No.XX |
|---|---|
| 品番・カラー | 57233504 / ビンテージ(VTG) |
| 価格 | 52,800円(税込・2026年10月10日確認) |
| 素材・生産 | 綿96%・ポリウレタン4%、革ラベルは羊革/日本製 |
| 生地 | 11oz・セルビッジ2WAYストレッチ |
| 購入サイズ | 4(展開は1・2・3・4) |
公式の商品説明では、1966年のヴィンテージデニムの色落ちを参考にした加工とされています。購入時の色落ちは、自分で長年穿いて作ったものではなく、あらかじめ施された加工です。その表情を楽しむことと、ここから自分で穿いて変化を重ねることは、分けて考えています。
※確認時はオンラインで全サイズ在庫切れ。販売状況は変わるため、最新情報はリンク先で確認してください。
YANUK No.XXのサイズ感|ウエスト83〜84cmでサイズ4を着用
結論からいうと、ウエスト83〜84cmの僕でも最大のサイズ4は穿けましたが、ボタン周辺にはやや締め付けを感じます。生地とウエストは伸びるものの、余裕たっぷりというサイズ感ではありません。
4サイズ展開のうち、僕が購入したのはいちばん大きい「4」です。購入前は小さいのではないかと心配でしたが、「ウエストが8cmほど伸びる」という説明を念頭に試してみると、なんとか収まりました。
2026年9月25日公開のBeginのPR記事にも、特殊な縫製によってウエストが8cm伸びると記載されています。ただし測定方法までは示されていないため、8cmを誰にでも同じように当てはまる保証値とは考えない方がよさそうです。
サイズ4の公式表はウエスト83cm、ヒップ110cm、股下77cm、股上31cm、わたり33.8cm、裾幅22cmです。
数字上は僕のウエストとほぼ同じ。ストレッチを見込んで小さめを選ぶより、特にボタン部分のフィットを実際に確かめたい商品です。
サイズ情報:YANUK公式商品ページ。8cmの掲載根拠:Begin掲載の藤原裕氏インタビュー
公式には自己都合による返品・交換を原則受けない旨も記載されています。52,800円の買い物なので、サイズが不安なら購入前に店舗や公式窓口で相談する価値があります。
YANUK No.XXのディテールレビュー|縦落ち・ジップフライ・革パッチ
実物を見て強く感じるのは、ヴィンテージらしい外見を作り込みながら、日常で穿くための実用性を省いていないことです。
縦落ち、ジップフライ、2つずつ並ぶベルトループ、裏側のステッチ、革パッチまで、残す部分と変える部分がはっきりしています。
ヴィンテージ顔のストレートなのに360°伸びる
公式は、穿き心地とヴィンテージ感を「本来相反する」ものとして位置づけています。11ozのセルビッジ生地を旧式の力織機で織り、通常は横糸に使うストレッチ糸を縦糸にも使うことで、360°の伸縮性を持たせた素材です。
ストレッチデニムというと、すっきり見せる細身やタイトな形が多い印象があります。No.XXはそこへ行かず、60〜70年代を基にした、少しゆとりのあるストレートを選びました。立った姿はヴィンテージらしいのに、座る、しゃがむ、脚を動かす場面では生地がついてきます。
セルビッジは生地端の「耳」を指す言葉で、ストレッチとは別の特徴です。No.XXは、旧式織機によるセルビッジの風合いと、縦横へ伸びる現代的な生地を一つにしています。
ボタンフライに見えて、実際は使いやすいジップフライ

一見するとボタンフライのような雰囲気ですが、開けるとファスナーです。この切り替えがとても気に入りました。古い見た目を楽しみつつ、毎日使う部分には扱いやすさがあります。
2つずつ並んだベルトループも面白い部分です。公式では男女で異なるベルトの締め方に着目した設計とされています。僕には、ベルトを留めやすい実用的な細工としても印象に残りました。
裏側のステッチと革パッチまで眺めたくなる

裏側のステッチや、一点ずつ表情が異なる変色リベットを見ても、穿いているだけでは人に気づかれない部分まで作り込まれています。まさに細かなディテールや微差を、自分で見つけて楽しむデニムです。
YANUK No.XXはなぜ52,800円なのか|高く見えないことにも価値がある
52,800円の理由は、誰にでも伝わる派手な高級感ではありません。ヴィンテージの表情、スタンダードなストレート、360°ストレッチという三つの両立と、外からは見えにくい微差へ払う価格だと僕は考えています。
一見して52,800円のデニムだと気づく人がどれだけいるかというと、正直あまり多くないと思います。手持ちのほかのデニムと比べても、ドラスティックに高級感を感じるような見た目ではありません。
高く見せるためではなく、通が微差を楽しむための一本
ユニクロデニムと並べた写真を参考掲載。見た目はそんなに変わりません。
いつものTシャツへ自然に合わせられ、そのうえで縦落ち、ジップ、ループ、パッチ、裏側の縫製を自分で楽しめます。
公式が加工の基準にしたのは、1966年のヴィンテージデニムです。
ヒゲ、色目、コントラストをデジタル技術と職人の手作業で再現しています。
購入時の色落ちは僕が長年穿いて作ったものではありませんが、通が見て「至高のエイジング」を楽しめる状態を新品で目指したところに、この商品の趣味性があります。
高そうに見えすぎないことは弱点でもあり、僕にとっては愛着の湧く魅力でもあります。価格を他人へ伝える服ではなく、自分が穿くたびに細部へ納得できる服だからです。
Tシャツにも、デニムジャケットにも合わせやすい
想像以上の美脚。
かつ適度なゆとりが嬉しい。
インディゴ顔の生地感も加工やりすぎ感なく、綺麗めと十分合わせられます。
結構デニムって、ストレートデニムだったらちょっとゆとりがあるけれども、ストレッチが効いているものって結構タイトめというか、ある意味タイツみたいな見た目のものが多いんですよね。
こちらのすごいところは、美しさと適度なゆとり、そしてストレッチ性を確保しながら、ヴィンテージとしてすごくスペシャルな見た目を担保しているという点です。
これは、このデニムでしか出せないポイントなのかなと思います。
まざまなTシャツに合わせられますし、デニムジャケットとも相性がいいですよ。
日本のデニム史|No.XXへつながる「再編集」
No.XXを単に「よく伸びる高級デニム」として見るだけでは、この商品の面白さを半分しか捉えられません。背景には、アメリカの服を観察し、細部へ分解し、日本で作り直してきた長い歴史があります。
日本のデニムが得意としてきたのは、ただ本物そっくりにコピーすることではないと分かります。原型を深く調べたうえで、残す部分と変える部分を選ぶこと。No.XXも、その流れの先にある一本です。
日本製デニムの出発点
日本製デニムと聞くと、すぐに旧式の力織機や職人技を思い浮かべます。
しかし、その前にあったのは地域産業の転用でした。岡山県児島には、綿作、足袋、学生服、作業服で培った縫製の基盤があります。学校制服などの市場が変化するなかで、厚い生地を扱える工場が新しい商品としてジーンズへ向かいました。
国産化に必要だったのは、パンツを縫うことだけではありません。デニム生地、インディゴ染色、厚地用のミシン、洗うと縮む寸法の設計、洗い加工、サイズの説明まで、商品全体を学び直す必要がありました。BIG JOHNの公式沿革では、前身の丸尾被服が1965年にCANTONの国産ジーンズを完成させ、1967年に自社ブランドを始めたとされています。
産業史の確認:BIG JOHN公式ヒストリー
ヴィンテージ研究が、複製を独自の産業へ変えた
1980〜90年代、日本の買い付け人は米国各地から古着を集め、店と雑誌は501をパッチ、タブ、ステッチ、シルエット、色落ちの違いで研究しました。
雑誌が「Big E」「66」「XX」といった言葉を広めると、消費者は現行品や復刻品にも細かな再現を求めるようになりました。その厳しい目が、セルビッジ、染色、糸、型紙、縫製、加工をもう一度組み立て直す需要を作ります。
完全に同じものを作るだけでなく、素材、シルエット、加工を自分たちなりに変えられる。日本製デニムは、米国の過去を再現する段階から、その歴史を材料に新しい服を作る段階へ進みました。
No.XXは、日本的な「再編集」の現在形
この流れを知ると、No.XXの見え方が変わります。これは古いジーンズを忠実に戻したレプリカではありません。60〜70年代のストレートを形の土台にし、1966年の個体から色落ちを採り、革パッチ、月桂樹ボタン、変色したリベットでヴィンテージの記憶を残す。
一方で、生地は縦横へ伸ばし、ボタンフライの外見をジップフライへ置き換え、4サイズで男女の体型をカバーしようとしています。
YANUKの公式ファクトリー紹介を見ると、岡山・総社の生産拠点では、古着の加工感をデータ化し、シェービング、洗い、乾燥、手作業の調整を重ねています。
日本のデニム史が積み上げてきた「観察して、分解して、作り直す」という方法が、現在の生産工程にも残っています。
参考読書:藤原裕『教養としてのデニム――日本人が見出したヴィンテージの価値』。
YANUK No.XXの良いところ・気になるところ
結論として、良いところはヴィンテージ感と動きやすさの両立、気になるところは52,800円という価格とサイズ4でも残るボタン周辺の締め付けです。何を優先するかで、評価がはっきり分かれる商品だと思います。
良いところ
ここまで穿いて一番良かったのは、ストレッチのためにシルエットを細くしたように見えないことです。少しゆとりのあるストレートとヴィンテージの表情を保ちながら、身体の動きには生地がついてきます。
いつものTシャツやデニムジャケットに自然に合わせられ、そのうえで色落ち、ジップ、ループ、パッチを自分で楽しめます。ヴィンテージ感と快適さのどちらかを諦めずに済むことが、僕にとって一番大きな違いでした。
本当にこだわりがある人や、「生涯でもう1本しかデニムを買いたくない」という人には、こういう買い方もあると思います。生涯使える耐久性を保証する意味ではなく、何本も選び続けるより、自分が納得した一本へ気持ちを向けたいという意味です。
気になるところ
安くて良いものを求めるのであれば、以前紹介したGUのデニムでも十分だと思います。僕が購入した当時の価格感で単純に比べると、No.XXの52,800円でGUのデニムが約12本買える計算です。その差額が、誰にとっても必要なものだとは思いません。
また、僕の場合はサイズ4でもボタンまわりが少し窮屈でした。ヴィンテージ感と伸縮性を両立していることには魅力を感じますが、どんな体型にも無条件で快適、とは言えません。
長く穿いた後の色の変化や、伸縮性の持続については、これから確かめたいところです。現時点の満足と、何年も使った結果は混ぜずに残しておこうと思います。
まとめ|生涯でもう1本だけデニムを選びたい人へ
No.XXの価値は、ヴィンテージ加工が細かいことだけでも、よく伸びることだけでもありません。60〜70年代を基にしたスタンダードなストレート、穿き込んだような本格的な表情、縦横へ伸びる現代的な生地。この三つを同時に成立させたことです。
非常に趣味性が高く、細かなディテールや微差にこだわりたいマニア向けの商品です。
自分の人生における最新かつ最高の一本を探している人にとって、とても面白い選択肢だと思います。
ではまた。

